artist-in-residence / alternative space
Operation Table
has been inaugurated in April, 2011
News
次回の展覧会【小原佐和子 × 山福朱実『 どこかにある風景 』】と第54回QMACセミナー【村田喜代子「わたしの小説のこと話します。」】のお知らせを下記に掲載しました。
展覧会のご案内
小原佐和子 × 山福朱実『 どこかにある風景 』
会期:2026年7月26日(日)~8月16日(日)
金土日11~18:00/月-木は電話,mail予約制
会 場:Operation Table/QMAC 北九州市八幡東区東鉄町8-18
会期中イベント
オープニングトーク 7月26日(日) 14:00~
小原佐和子×山福朱実+真武真喜子
参加費:1,500円(終演後の宴は+1,000円)
紙版画WS(山福在廊時のみ) 制作1枚500円
在廊予定日 8/1,2,8,9,16の14:00~
※予約不要 ※予定は変わることがあります
写真家・映画監督の故 本橋成一氏が立ち上げたポレポレ坐&ポレポレタイムス社の縁で繋がった小原佐和子と山福朱実。沖縄や秩父をテーマに撮影してきた小原は、2017年に故郷へ戻った山福を頼ってしばしば北九州を来訪、戦跡や産業施設が点在している街を注視するようになる。東中野ポレポレつながりの2人が北九州で再会をかさね、この展覧会が決まった。小原は北九州の風景写真、山福はその写真にコラボした木版画を出品。「どこかにある風景」では、北九州在住、或いは住んだことがある、何度も訪れているヒトにとっては思い当たる場所があるかもしれない。北九州を知らないヒトはどこか別の街にも似たような風景があったと、それぞれの記憶を辿るのだろう。
小原佐和子
埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。2011年個展「神の真庭」新宿ニコンサロン・大阪ニコンサロンを皮切りに、2012年gallery M&A/沖縄市、2018年ギャラリー蒼穹舎/東京で開催、2022年、2022年、2024年には個展「秩父-山の岸辺」「秩父-山の岸辺 II」「秩父-山の岸辺 III」がギャラリー蒼穹舎でそれぞれ開かれている。その他、”La nueva fotografía japonesa”(「親密なひととき 日本写真の新時代」 2012年 スペイン巡回)、「松村久美+小原佐和子写真展 − 沖縄から学ぶ希望 −」(2015年 ギャラリー・ナノリウム / 山梨県富士吉田市)、「平敷兼七 二人展シリーズ vol.9 平敷兼七・小原佐和子『渚』」(2018年 平敷兼七ギャラリー / 沖縄県浦添市)のグループ展に参加。写真集に『神の真庭』(2017年蒼穹舎発行)、『秩父 山の岸辺』(2012年発行、私家版)がある。
http://www.obarasawako.com

左から 撮影地:北九州市若松区北浜 ゼラチンシルバープリント/撮影地:北九州市若松区白山 インクジェットプリント(阿波和紙)/撮影地:北九州市八幡東区槻田 九州鉄道茶屋町橋梁 インクジェットプリント(阿波和紙)/撮影地:北九州市門司区西海岸 ゼラチンシルバープリント
山福朱実
1963年北九州市生まれ。2004年に木版画の制作をはじめる。木版画絵本「砂漠の町とサフラン酒」(2005)、創作絵本「ヤマネコ毛布」(2015)があるほか、石牟礼道子「水はみどろの宮」に挿画を制作し出版(2016)、2017年東京生活から北九州へ帰郷、若松に樹の実工房を構える。Operation Tableでは「山福朱実 水はみどろの宮 挿絵版画展」(2017)、「ああ!愛しのメキシコスープ!II 竹田邦夫+山福朱実+南椌椌」(2018)、「山福朱実の版画と記録『山福印刷と樹の実工房』」(2022年)「「遠賀川神話の芸術祭 2025」(2025)などの展覧会に参加。末森樹とのユニットで歌とギターによるライブも展開。Opertion Tableで開かれる展覧会の折々にゲスト出演としてライブを披露してきた。今年6月には「うらんたん文庫10周年記念 山福朱実作品展 "Pandereta (パンデレッタ)Ⅱ"」(うらんたん文庫/福津市)が開催された。また9月には「山福康政・朱実父娘(おやこ)展」を開催予定(一生もんshop緑々あおあお/北九州市)。
https://nekoyanagioffice.blog.jp/archives/65997204.html

左から
『工場』 水彩木版画、八女和紙/『ドゴラ対ゴジラ』 水彩木版画、八女和紙/『釣り人』 水彩木版画、八女和紙
作家コメント 『どこかにある風景』について
小原佐和子
写真家・映画監督の本橋成一氏が主宰するポレポレタイムス社で、約10年間にわたり写真助手を務めた。氏にとって筑豊や北九州は、第二の故郷ともいえる特別な場所で、事あるごとにこの地についての話を聞かせてもらった。私自身も、氏の橋渡しによって多くの人たちと出会い、迎え入れられてきた。いつかきちんとこの土地の風景を見て、撮ってみたい。そんな思いを抱いていたところ、朱実さんから北九州での展示に誘われ、とんとん拍子に話が進んだ。
本展のために、若松、小倉、門司を中心に、北九州の戦争や産業の舞台となった場所とその周辺を訪ね歩いた。残された風景から、かつてそこにあった風景や、そこで暮らしていた人、今も暮らしている人たちに思いを巡らせながら撮影した。そして朱実さんは、写真と自身の記憶をつなぎ、新たな風景を木版画にしてくれた。
写真と木版画を通して、それぞれがもつ記憶や風景が立ち上がればと思う。
山福朱実
昨年12月に逝去した写真家・映画監督の本橋成一氏が父を訪ねて若松へ遊びに来たのは、1968年に太陽賞受賞1968年のデビュー写真集『炭鉱(ヤマ)』を撮りに筑豊に通い込んでいた、私がまだ1歳にも満たない頃。そのご縁で20歳を過ぎてポレポレ坐の立ち上げに参加するなど、イラストレーターとして独立するまでの4年間、氏には随分とお世話になった。辞めて年数後に小原さんが氏の助手になる。故郷の印刷屋で育った私にはとても身近な、写真と版画という素材を掛け合わせてみたら面白いかな?と打診し、今展の企画が生まれた。関東人が撮った、北九州の産業、戦争、暮らしの痕跡が泛かぶ写真を、北九州で生まれ育って出戻った私が見て、新たな歴史の発見と記憶のかけらをごちゃ混ぜにしながら、探り探り板木に彫ってゆく。写真と木版画、モノクロの印刷物。本橋師匠にも見に来ていただきたかった。
「どこかにある風景」会期中、最終日の前日、8月15日終戦の日に開かれる第54回QMACセミナーをご案内します。
第54回QMACセミナー
村田喜代子「わたしの小説のこと話します。」
日時:2026年8月15日(土)14:00~16:00
講師:村田喜代子
会場;Operation Table/QMAC 北九州市八幡東区東鉄町8-18 https://operation-table.com/index.html
会費;1,000円 (トーク後お茶/wineの会続きます。参加の方は+500円)
ヒロシマ・ナガサキ、2つの原爆、そして八幡大空襲、終戦という、忘れてはならない日々が続く8月。原爆や戦禍の日々を題材にした「八幡炎々記」「新古事記」の著作がある村田喜代子さんをQMACセミナーにお迎えしてお話を伺います。膨大な歴史資料やルポルタージュ、社会批評の文献を参考に、自らの体験も含め数多の小説、エッセイを書き進めてこられた村田さん。この機会に創作の源泉や流儀をたっぷりとお聞きしたいとおもいます。
1945年 、 福 岡 県 北 九 州 市 生 ま れ 。1987 年 、「 鍋 の 中 」 で 第 97 回 芥 川 賞 を 受 賞。 1990年 、『白 い 山 』 で 女 流 文 学 賞 、1997 年 、『 蟹 女 』 で 紫 式 部 文 学 賞 、1998年 、「 望 潮 」 で 川 端 康 成 文 学 賞 、1999 年 、『 龍 秘 御 天 歌 』 で 芸 術 選 奨 文 部 大 臣 賞 、 2010 年 、『 故 郷 の わ が 家』 で 野 間 文 芸 賞 、 2014年 、『 ゆ う じ ょ こ う 』 で 読 売 文 学 賞 、 2019 年 、『 飛 族 』 で 谷 崎 潤 一 郎 賞 、 2021年 、『 姉 の 島 』 で 泉 鏡 花 文 学 賞 を 受 賞 し た 。ほ か に 、『 花 野 』 『 八 幡 炎 炎 記 』 『 屋 根 屋 』 『 村 田 喜 代 子 の 本 よ み 講 座 』 な ど の 著 書 が あ る 。(『新古事記』2023年講談社刊の巻末著者プロフィルより)
左から
著者ポートレート/『八幡炎々記』2014年平凡社刊/『ゆうじょこう』のフランス語版 "Fille de joie" 2017年ACTES SUD /
『新古事記』2023年講談社刊/『新古事記』 2026年 講談社文庫
KitaQ BRUT 2026の展評を弱(チンピラ)虫さんに寄せていただきました。弱(チンピラ)虫は2024年12月にOperation Tableで開催した第39回QMACセミナー「力、あるいは力│空間」でインスタレーションとライブを行ったミュージシャン/アーティストです。
また会期中に行われた出品作家によるワークショップと歌の会、2つのイベントの写真を公開しています。
2026 5/4 mon. (G.W.) 14:00-16:00
イブ ワークショップ 「ビニールタイでにょきにょき盆栽」
2026 5/10 sun. 14:00-15:00
斎藤龍樹 歌の会 「懐かしい歌 いまどきの歌」
「野村由香 石炭のみる夢」の会場写真および関連イベントの動画をUPしました。また、展評をインディペンデントキュレーター、原田真紀さんによせていただきました。
4/25からKITAQ BRUT 2026 始まりました。

KitaQ BRUT 2026 ブリュっとくる新鮮さ
会期 2026 4/25 sat. ▶ 5/10 sun.
会場:Operation Table + mama福
Operation Table:金土日11:00~18:00 月~木は電話・メールで予約受付オープン
GW祝日もオープン (4/25初日のみ17:30閉場)
入場は無料
Tel;090-7384-8169 email; info@operation-table.com
mama福:店休日 5/7 thu., 5/8 fri. 営業時間など詳細はinstagramをご覧ください。
出品作家:網岡俊介、石江祐一、イブ、上野修路、斎藤龍樹、田中康弘、友近邦宏、中山綾、福田しずか、満生秀次、森崎育斗優太、YUKI
関連イベント
2026 5/4 mon. (G.W.)
イブ ワークショップ ビニールタイでつくる植物
14:00-16:00 参加費 1,000円 (お茶の会付き)
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2026 5/10 sun.
斎藤龍樹 歌の会 「懐かしい歌 いまどきの歌」
14:00-15:00 参加費 1,000円 (終了後パーティあり、+500円)
どちらも会場はOperation Table
Operation Tableでは2021年に北九州市内の障害者施設に所属したり、自宅にて制作活動を行っている13名の作家たちの作品を集めてKitaQ BRUTを開催しました。https://operation-table.com/kitaq.html
今回はその第2弾、活動休止中など4名が抜けあらたに4名NO作家が加わりました。ほかの9名の作品も5年の間にずいぶん変化しワクワクするような新たな展開が見られます。調査や借用訪問、展示設営には遠藤タラコさん、進藤まよみさん、花田智子さんに協力いただいています。
もう一つの会場、mama福にはイブさん、田中康弘さん2名の作品を展示させていただきました。
ゴールデンウイークをはさんで2週間あまりの開催ですが、イベントもありますので、皆さんぜひ会場をお訪ねください。
(左の2点)友近邦宏 天井吊下り9点は裏側から見ると下地にびっしりとマーカーでたくさんの線や形が描かれているのが見える。(3番目)壁面に貼られたカラフルなドットやモノクローム・ストロークの作品、友近邦宏 22点。(右端)石江祐一 「機関車」「軍師官兵衛」「ほうれん草」 水彩・紙

(左の2点)イブ〈草野貴世 蜜蝋室〉「魔女」「死神」「蜘蛛男」「レッドピラミッドシング」「マンゴースチンの蝙蝠」「蜘蛛」ビニールタイ
(右端と下の段の左端)メインギャラリー全貌
(中央の2点)イブ〈手術台の上〉「Operation Table」Operation Tableのシンポル、「手術台の上のミシンと蝙蝠傘の出会い」をイブがアレンジした作品。手術台の上でミシンが蝙蝠に変身。動物のお医者さんも患者さんを担架で手術台まで運んでいます。無影灯も見えます。「平和の戦車~アネモネたちのガザ」トイレがゆっくりできるのは平和だから⋯ガザ地区のニュースを見て平和を問いかけて生まれた作品です。ガザ地区は元々お花といちごの産地で大地には一面にアネモネが咲くそうです。
「ナガサキ」 ビニールタイ
(右端)中山綾 〈タイル壁タテに4点〉「黄色・赤・緑の線とかたち」」レインボーカラーのラブリ」「紫 やじるし」「赤 花をとる」〈タイル垂れ壁 ヨコに2点〉 「レインボーカラーのかたち」「青・水色・黒・黃・赤・茶・黄緑の線とかたち」 色鉛筆・紙
(左端)網岡俊介「20枚のミニ・カラーストローク」クレヨン・メモ用紙 「青緑・緑・黃」「ベージュ・黄緑・緑・クリーム色」「茶・緑」「赤・緑・黄土・濃い緑」アクリル・紙
(左から2番目)上2段:優太 「カニ」「「アメリカ合衆国/JAPAN」スーパー○◯」「けいしちょうホイールローダ」 5年前は動物や食べ物が多かった、今回は乗り物や建物が登場。中段:上野修路「緑・オレンジ」「黃色の線に青い丸」「赤・青・緑のドットと線」「青・緑・黄土色」」「赤・黄」 ビー玉・アクリル・紙 ビー玉に絵の具をつけて転がした線です。下2段:森崎育斗「モーツァルト トルコ行進曲」「ベートーベン」「カラフルな地図」「墓地」「カラフルな線の地図」「赤・黃・茶・水色の地図」「カラフルな凸型の地図」ボールペン・色鉛筆・カラーマーカー・紙 大好きな作曲家の音楽を楽譜で書きました。ほかの十字や凸型が詰まっているのは地図です。墓地の地図にはお墓が並んでいます。
(左から3番目)満生秀次 「満生くんと斎藤くん」「抽象」「ともだち」「ともだち」「こいのぼり」カラーマーカー・紙
(右から2番目)Yuki 「あの頃」アクリル・キャンバス 2025 「空中読書 小人編」アクリル・キャンバス 2024 「名物探偵は猫が好き」アクリル・キャンバス 2024 「夢は正夢」アクリル・キャンバスペーパー 2026 「オルゴールの旅」アクリル・キャンバス 2025 「仲間たちと泳ぐ日々」 ミクストメディア・紙 2022 「continue」アクリル・キャンバス 2026 (右端)イブ〈白い医療器具棚〉「Afternoon Tea」 ビニールタイ ウサギと狼のアフタヌーンティのお話は、下から上へと続きます。下段;狼はウサギに話したい事があります。中段;胸の奥につまっていた思い、どんどん息をするように話します。上段;おいしいお茶とお菓子、話を聞いてくれる友達。あっという間に笑顔に。
(左端)福田しずか 「カンガルー」「モナ・リザ」「柳川」「オリンピック」 水彩・紙 (次の3点)田中康弘 〈左パネル〉「噴水の公園」色鉛筆・紙「ヴァレンタインデー」「夢の空中飛行」色鉛筆・クレヨン・インク・紙「並木道のウォーキング」「散歩」「C571 蒸気機関車」「窓から富士山」以上、水彩・紙 〈右パネル〉「ゴリラ」「森のフクロウ」「犬」「あげタイヤ」「眼鏡犬」「ビーグル」「ウサギとにんじん」色鉛筆・インク・紙 「犬」 色鉛筆・カラーマーカー・インク・紙 「カラフル・ドット・ウサギ」「カラフルドットネズミ」「カラフルドットイヌ」「座るひと」「万歳するひと」「步くひと」「鳥を見るひと」以上、色鉛筆・インク・紙
(左)イブ「ピンク・アルパカ」ビニールタイ (右)斎藤龍樹「ペットボトル」マーカー・カラーマーカー 「酒屋にて」「工場街」「芳醇無比」「モナ・リザ」以上、マーカー
【ワークショップの様子】


【歌の会の様子】
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第48回までのQMACセミナーはevent.htmlに移動しました。
遠賀川神話の芸術祭2025 は過去の展覧会へ移動しました。
2月28日(土 )から始まる野村由香「石炭のみる夢」をご案内します。
野村由香 石炭のみる夢
会期:2026年2月28日(土)〜3月15日(日)
金土日 11:00~18:00オープン 月〜木は前日までに予約
会場:Operation Table 北九州市八幡東区東鉄町8-18
https://operation-table.com/index.html
入場無料
助成:公益財団法人 松浦芸術文化財団、野村財団
会期中イベント
🟨 2/28(土)《野村由香トーク》+《山福朱実(唄・朗読)✕末森樹(ギター) 炭鉱歌ライブ》+ミモザ・パーティ 14:00~ 参加無料
🟨 3/1(日) 近藤由紀(トーキョーアーツアンドスペースTOKAS プログラム・ディレクター) トーク 《TOKASのアーティスト・イン・レジデンス活動、そしてTOKAS-Emerging 2025 "野村由香 光る山”について》 16:00~ 参加料 1,000円
🟨 3/15 (日) 《野村由香トーク》+クロージングパーティ 14:00~ 参加無料
野村由香(のむらゆか 1994年生まれ。京都市在住)
山や海、大地を静かに物理的に変化させる根源的な力と、人との関係に関心を持ち、これまで大量の土や段ボール等を用い、時にパフォーマンスを含めた手法で立体やインスタレーションを制作してきた。 2023年にオペレーションテーブルで開催された展覧会「石炭と鉄/山本作兵衛×青木野枝」を観て石炭に強く惹かれ、石炭に関する制作を開始。各地の炭鉱跡をめぐり、石炭を運んでいた馬(対州馬)についての作品や、石炭そのものを描画材としたドローイングや立体作品などを制作し、2025年春にはトーキョーアーツアンドスペース本郷で個展「光る山」を開催した。 今回オペレーションテーブルでは、九州各地や北海道、宇部、広島など、これまでに取り組んだリサーチを基に、北九州での滞在を通して制作した新作による展覧会を開催する。
野村由香さん、昨年11-12月にOperation Tableも会場の一つだった「遠賀川神話の芸術祭2025」にも参加し北九州/福岡の皆様にはお馴染みになっています。それも京都在住ながら、近年、大分(マイクロアーティストインレジデンス別府;お湯のつかれ・別府 2024.12)、広島(アーティスト・イン・レジデンス プログラム 2025「あたらしい場所」/アートギャラリーミヤウチ 2025.4-7)、長崎(半井桃水館芸術祭シャンデリア/対馬 2025.10)と活躍の場が西日本に広がり、福岡から近い釜山の日韓グループ展 (Wish,Tag 漢城1918/韓国)にも参加しています。
もうひとつ、急遽、展示会場追加が決まった「石炭のみる夢 bis@mama福」をご案内します。
mama福 https://www.mamafuku.jp
805-0048 北九州市八幡東区大蔵2-11-14 TEL;093-616-0606
西鉄バス JR八幡駅入口/小倉駅入口から①番大蔵下車、Operation Tableまで(から)徒歩15分、JRスペースワールド駅から徒歩26分(お車の方は新神田市場隣、大蔵商連お客様駐車場をご利用ください。)
会期はOperation Tableと同じく2026.2.28(土)~3.15(日)ですが、月•火 11:00~17:00、金~土 11:00~22:00、水•木休みと、オープン日時が異なります。どうぞ両会場お訪ねください。
野村由香の作品およびプロフィールetc.はこちら https://www.yukanomura.net



写真およびヴィデオ撮影は©️黒田ダイスケ
経路の黄花
原田真紀
馬も一度は涙を流す あまり叩くな馬丁さん
山本作兵衛 炭坑画〈坑内馬〉より
野村由香と石炭との出会いは2023年、北九州市八幡のギャラリーOperation Tableに遡る。開催されていた「石炭と鉄/山本作兵衛×青木野枝」展で初見し、ぬめるような艶やかさ、温もりのある生き物のような石炭の存在感に魅了された。その後、旧産炭地である夕張や筑豊、三池、宇部を訪れ、石炭を巡る人々の痕跡やその土地に眠る時間の堆積のリサーチが始まる。これまで、土地固有の土や水、植物、廃品などを素材に、目に見えない根源的なエネルギーを、自らの身体を通して探る大規模なインスタレーションやパフォーマンスを展開してきた野村にとって、エネルギーそのものである石炭は新たな表現の契機を誘うこととなる。
石炭にまつわる作品は、翌24年に対馬で開催された「半井桃水館芸術祭シャンデリア」で初めて発表された。リサーチの過程で、野村はかつて対馬の人々の生活に欠かせなかった「対州馬」の存在を知る。農耕や運搬の主要動力として、丈夫で温厚な対州馬は土地の人々との暮らしとともにある一方、全く異なる宿命を背負っていた。扱いやすさに加え、小型のわりに脚力のあるこの馬は、日本近代化の礎となった炭坑とも切り離せない。
狭い坑内で石炭を積んだトロッコを引く、地上で石炭を運搬するなど明治から昭和初期にかけ、炭坑においても対州馬は不可欠だった。幼い頃から坑内へ下った筑豊の炭坑絵師、山本作兵衛(1892-1984)も度々その姿描いている。〈明治中期より坑内馬 昔の中小ヤマは排水困難のためあまり深い坑内はなかったが横に広く掘進するので片盤(水平坑道)が遠くなる。二百メートル以上になると馬を使う。浅いヤマは毎日日没頃にあげるが、深いところは一週間位あげぬ。久し振りに上がった馬は娑婆の風に吹かれ欣喜跳躍する。〉〈坑内馬は背の低い強力なものを使うが、水を多く吞ませるから腹ばかり膨れておる。これは明治だけでなく昭和の初期にも入坑させておるヤマもあった〉〈坑内用炭函を五台くらい曳いていた。三屯または二屯半〉と、画中の言葉から当時の筑豊炭坑の様相が伺える。三池炭坑はさらに過酷を極め、暗く高湿度の坑内に厩舎が置かれ、一度地下へと下った馬は二度と日を浴びることなく、酷使され短命で終わったという。野村は対馬のレジデンスにおいて、家屋の解体で出た木材や和紙で対州馬を制作し、藁や芒を纏わせ足元に車輪をつけ可動式にした。陽光差すのどかな集落を自ら引いて回り、馬の目線の位置から撮影した映像とあわせて「芒」(2024)を発表した。
2025年からは石炭が素材として作品に盛り込まれていく。アートギャラリーミヤウチ(広島)でのアーティスト・イン・レジデンス2025「新しい場所」では、石炭の粉と接着剤で作った絵具でドローイングを描き、それを組み立てた石炭船を、TOKAS-Emerging2025(東京)での個展「光る石」では炭坑労働者の俳句などを手がかりにして、石炭で描いたドローイングを造形し、今度は坑道を象った。まるで石炭産業が内包する闇の重力を物質化するような作品の傍らにも、芒を纏った対州馬が佇む。
およそ3年後、野村は再びOperation Tableへと戻り、同所で念願の個展を開催した。ギャラリーの扉を開けた途端、新鮮な青葉の薫りに包まれる。続いて手前の小部屋からメイン会場にかけて、広島で制作発表された「石炭船」(2025)がミモザを載せて姿を現す。それは、「移動」を彷彿させるとともに、点と点をつなぐモチーフでもあろう。リサーチを重ね、対馬、広島、東京と場所を変えながら石炭へ挑んだ野村の歩みであり、石炭産業と製鉄業を支えた動力源である馬と船と蒸気機関車の変遷であり、さらには炭坑の隆盛に左右された人々の往来や越境をも示唆する。
本展「石炭の見る夢」に現れた「炭鉱の馬(アカシア)」(2026)は、全身をミモザの花と葉で豊かに肉付けされており、対馬で制作した馬の一部が使用されている。ギャラリーの薄いブルーグレーの壁が黄色を一層際立たせ、馬は生命力に満ちる。ギャラリーオーナーが以前遠賀郡水巻町に住んでいた時、炭坑跡地にミモザが群生していた記憶があり、そのエピソードに着想を得たという。偶然にも、ギャラリーの植え込みに立派なミモザの木が茂っており、ふんだんに使用していた。新作ドローイング「ミモザになった馬Ⅰ」「ミモザになった馬Ⅱ」(2026)はミモザの木の根と対州馬の4本の足が繋がったり、馬の後ろ足とミモザの木が一体化したりして興味深い。炭坑跡地に咲いたミモザは、その地下深くに眠る声なき声や犠牲となった命の表象であるのかもしれない。
今回の展示で印象に残った「黄色い花の咲くところ」(2026)は、石炭で描かれたドローイングだ。パノラマの構図に海峡を見渡す景色が描かれる。海峡は物も人も文化も交差する場所だ。目を凝らせば両岸にボタ山や荷を引く馬、移動する人々の姿が。海へ注ぐ川は石炭や馬を乗せた船が行き交い、その先には対馬や朝鮮半島もうっすらと姿を現し、石炭をめぐる野村の足跡を集約した作品ともいえる。この黒一色の世界に小粒なミモザの花が星のように散りばめられ、かすかな光を灯す。日本近代化や資本主義、富国強兵と共にあった石炭産業は、力の原理が支配する世界だ。本展において野村は「移動」を手がかりに、産業構造やエネルギーをめぐる人類の欲望を俯瞰し、周縁化され、生を翻弄された動物や人間、植物からその様相をまなざした。同時に、いまなお連綿と続く人間中心主義への問いかけが、横断的な視野の広がりを誘う。あの時見たミモザの馬に心なしか穏やかな印象を受けたのは、Operation Tableが元動物病院だったから?と振り返っている。
(インディペンデント・キュレーター)
参考資料
〇『野村由香 作品集』2025年(野村由香発行)
〇『TOKAS-Emerging 2025 野村由香「光る山」』2025年(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 トーキョーアーツアンドスペース発行)
〇『開館5周年記念 山本作兵衛展』図録1996年(田川市美術館発行)
*本稿執筆に際し、野村由香さんにオンラインインタビューを行った(2026.4.16)
第48回QMACセミナー「山本聖子『 鉄と美術ー鉄都が紡いだ美の軌跡」(北九州市立美術館)』に参加して」に臨んだ花田伸一さんから自身の体験にも照らしたエッセイを寄せていただきました。
「第49回QMACセミナー「田中奈津子 TALK ONLINEスタジオ内/外を往来する〜寛容の地インドネシア」の会場写真および
セミナーでオンライントークをしていただいたインドネシアのキュレーター、リズキ・アサシさんのプレゼンテーション資料(PDF)を掲載しました。
ちょうど開催から1年経ちましたが、このたび2024年2月23日~3月23に開催していました「アキレスと亀と旅ねずみ」の展評を吉川神津夫さんに寄せていただきました。(リンクはこちら) 展覧会直後に花田伸一さんからのエッセイもすでに掲載済みなのですが、展覧会終盤に京都からおいでになった吉川さんが展覧会をご覧になって、展覧会の典拠のひとつでもある寺山修司の「レミング」を初演でご覧になったことなどをお聴きし、別の視点で展覧会評を書いていただけるのでは、とお願いしていたものです。この機会に5期に分けて展示替えが実現された展覧会の展示模様をスライドショウにしてまとめ5つの動画を掲載しました。(リンクはこちら)
QMACセミナーのご案内
また3月には、ただいま北九州市立美術館で開催中の「磯崎新の原点 九州における1960-70年代の仕事」を企画された学芸員の落合朋子さんに、展覧会準備から開催までの経緯や展示内容についてお話を伺います。
11月9日から24日まで開催していました「遠賀川神話の芸術祭」にライターの黒川智子さんから展評を寄せていただきました。
村田峰紀のパフォーマンス映像と画像を掲載しました。
8月〜9月に開催していました「「NAGAB 長崎からのアール・ブリュット」、うらんたん文庫の藤田学さんから展評を寄せていただきました。
QMAC企画からの第三弾となる黒岩恭介著『フランク・ステラ さまざまな視点から』を発行しました。
ここをクリック
終了して1年余りが過ぎた展覧会ですが、昨年6月23日から8月27日まで開催していた「林檎と蜜柑の数え方」の展評に替えて、東アジア現代美術研究者の藤田千彩さんによる三津木晶さんへのインタビュー記録を公開しています。
なお藤田千彩のインタビューは22,000字に及ぶ長いものでしたので、ホームページ掲載用には短縮版を、フル・ヴァージョンはリンクを張ってお読みいただけるようにしています。
このたびQMAC企画から『高松次郎インタビュー記録集』を刊行しました。
黒岩恭介「フランク・ステラ、思い出すことなど」を掲載しました。
「アキレスと亀と旅ねずみ」展の展評を佐賀大学の花田伸一さんに寄せてもらいました。
遠賀川神話の芸術祭2024 は過去の展覧会へ移動しました。
昨年、QMAC企画から刊行された『アーサー・ダントを読む』に続き、QMAC企画第2弾となった黒岩恭介著『コンセプチュアル・アートの三人』を発行しました。
2023年11月29日で終了した「やはたアートフォレスト 2023~パレットの樹~関連企画 遠賀川神話の芸術祭2023~石炭と鉄/山本作兵衛✕青木野枝」展のために、上野朱さんから作兵衛翁を詠った「作兵衛升歌」「栓友-作兵衛・タツノの場合」の2篇とその解説、また落合朋子さん(北九州市立美術館学芸員)から展評を、そして青木野枝さんから、急遽開催が決まった展覧会への思いを綴ったエッセイを寄せていただきました。
桑山忠明(1932-2023)さんの訃報が届きましたので、お知らせします。8月13日(金)にニューヨークで家族に看取られながらお亡くなりになりました。後日偲ぶ会を計画しているそうです。ご冥福をお祈りします。
桑山忠明追悼展のお知らせ
会場:Marlborough Galley, 545 West 25th Street, New York, NY10001
会期:2023年11月9日 ー 2024年1月12日
初日は午後5時にオープン
8月27日終了の「林檎と蜜柑の数え方」の会場写真と出品作家2名+真武の各エッセイを掲載しました。
33rd QMACセミナー「寺山修司と高松次郎の68/72」真武真喜子(インデペンデント・キュレーター/Operation Table)をご案内します。
2019年の第30回以来、コロナ禍のため中断していましたQMACセミナーを再開いたします。
第31回目となる再開第1弾は、QMACセミナー第0回から17回までに4回ほど「アーサー・ダントを読む」という連続講義をしていただいた黒岩恭介さんにお願いしました。
これに続いて次週は、関西を拠点にアートライターとして活動する藤田千彩さんにおいでいただきます。詳細はこちらをクリック。
※終了した展覧会については、トップ・メニューの【exhibition/・past】にまとめています。
※終了したセミナーについては、トップ・メニューの【event】にまとめています。
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写真家、山本糾さんの「ミシンと蝙蝠傘」です。「ミシンと蝙蝠傘」は2017年Operation Tableで開催された山本糾さんの展覧会タイトルであり、その中心となった出品作でした。印画紙にプリントされたモノクロ写真を屋外に設置する方法をずっと検討して2年が経ったのですが、このたび彫刻家、古賀義浩さんの製作したガラスフレームに入り、設置も古賀さんにやっていただきました。カラフルな素材や筆跡も残る壁画の中に、モノクロームの硬質な写真作品が加わり、外壁ギャラリーも一層バラエティに富んだものになりました。みなさま、通りすがりに、また展覧会やイベントにおいでの機会に、ぜひご覧ください。

山本糾「ミシンと蝙蝠傘」(右図)が仲間入りしたOperation Table外壁右中段
2018年11月23日、Operation Table外壁に新しい作品が加わりました。古賀義浩さんの石板レリーフです。いつもは水平線や山の稜線を思わせる抽象的な1本の線が走っている古賀さんの石板レリーフ、ここでは他の壁作品と同じく、手術台+蝙蝠傘+ミシンをテーマにしているので、手術台から浮き上がったミシンから青い糸の刺繍が縫いだされているような蝙蝠傘をかたどった線、曲線をつなぐために、きちんと並んでいる石板も不連続多方向につながっています。お近くまでいらっしゃる方はぜひお立ち寄りご覧になってください。

11月23日(金)に壁の作品がひとつ新たに設置されます。古賀義浩さんの石板レリーフです。ただ今絶賛制作中なので、まだどんなものになるのか???ですけど、乞うご期待。すでにある壁の作品たちと同じく、手術台とミシン+蝙蝠傘がテーマです。古賀さんが以前から制作発表してきた石板レリーフのタイプの作品となります。公開設置と記念トークをご案内します。
2018年11月23日(金・祝)
13:00 公開設置
14:00 記念トーク 古賀義浩
16:00 レセプション
場所 Operation Table
参加費 500円(レセプションは+1,000円)
古賀義浩さんは2016年に開催された「行雲流水 青木野枝+古賀義浩」@Operation Tableの展覧会アーティストです。
http://operation-table.com/koun.html