田中奈津子アーティスト・トークの動画をアップしました。5月22日開催のオンライン・トークのコメントをモデレーターの羽鳥悠樹さんから寄せていただきました。
隔離された絵画 - Lukisan Yang Dikarantina
会期:2022年4月22日(金)~6月12日(日)
会場:Operation Table
北九州市八幡東区東鉄町8-18
金土日 11:00~18:00 オープン
月~木は前日までに電話 or メールで要予約。
Tel;090-7384-8169
email; info@operation-table.com
2020年3月まで京都を拠点に活動してきた田中奈津子は、その4月、COVID-19が世界中に蔓延する只中、家族の事情でインドネシアへ居を移しました。それから2年、なんどか実家のある北九州市門司区へ帰国を試みましたが、2021年4月と8月に一時帰国が実現、それでも4月は実家に戻ってからの隔離期間があり、8月の日本到着後、成田のホテルにてと9月にインドネシアに戻ったときのジャカルタのホテルでの隔離期間がありました。田中はその隔離期間中に「隔離された絵画」と題して、作品や制作情景をON LINEで配信しています。今回の展覧会ではそれら隔離期間に制作された作品を中心に、Operation Tableのギャラリーを、隔離期に追想したジャカルタの環境や隔離されたホテルの空間に見立てた展示を行います。
この展覧会にあたっても一時帰国が実現、4/23にはリアルとON LINEの両方で田中奈津子のトークが行われます。ON LUNEでは、Instagramアカウント@lukisan_yang_dikarantinaにてライブ中継します。
関連イベント
4月23日(土) 14:00ー16:00
田中奈津子アーティスト・トーク
「隔離された絵画とコロナ禍にインドネシアで見たものについて」
5月22日(日) 13:00-15:00
オンライン・トーク
田中がコラボレーションしたインドネシアのコレクティヴGrafis Huru Haraを招き、コレクティブの活動や今回の共同制作のプロセスについて語っていただきます。
登壇者:Grafis Huru Hara
田中奈津子
モデレーター:羽鳥悠樹
参加方法:以下のURLより、参加登録をお願いいたします。
https://forms.gle/u74WNWvuwDSdQfPW8
定員:現地 Operation Table 15人
オンライン 30人
「平面に結ばれる交流プロセス―Grafis Huru Haraとノンクロン!」 羽鳥悠樹
画家田中奈津子は、北九州で生まれ、長く京都で制作・発表をしてきた。近年取り組んできた「ANDROGYNOS(両性具有)」シリーズに見られるように、田中はヨーロッパにおける近代絵画史の文脈を踏まえ、絵画平面上の新しい表現を探求し、具象と抽象のその先を模索していた。
ところが、家族の都合で田中は突如インドネシアに渡ることとなる。世界中を襲った新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、周囲の環境は何重にも変化した。渡尼後の活動は、Instagramを利用した展覧会の発信やトーク・イベントの開催、インドネシア人画家へのインタビューなど、一見、人との繋がりを求めるような活動が増えたように思われる。しかし、実は以前から田中は陶芸家などと分野を超えた共同制作を行ってきた。そのような性格が、インドネシア人の人懐っこさによく馴染んだのかもしれない。そのままインドネシアの人の輪に吸い込まれるように、首都ジャカルタで版画を制作手法の中心とするコレクティヴGrafis Huru Haraと出会い、共同制作が始まった。
本トーク・イベントでは、田中が共同制作をしたコレクティヴGrafis Huru Haraを迎え、まずコレクティヴの活動について紹介してもらい、その後今回の共同制作について、田中とGrafis Huru Hara双方にそのプロセスなどについて語っていただく。
展覧会にあたって 田中奈津子
2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、インドネシアへ飛び立ちました。
自分自身もこの国も、戸惑いながら新しい生活が始まりました。
感染状況を受けて規制や緩和が繰り返され、日々の暮らしも影響を受けました。
また二カ国間を往復するたびに隔離措置があり、外界から遮断された空間で過ごすことになりました。
その空白の時間と空間に描いた絵を、2021年を通じて北九州市門司区の自宅、成田空港近くの隔離ホテル、ジャカルタの隔離ホテルの三カ所からオンライン上で「隔離された絵画-Lukisan Yang Dikarantina」というタイトルで発表しました。
この度のリアル展示でその作品やアーカイブを展示し、改めて私及び私たちに何が起こったのかを見つめ返したいと思います。
インドネシアに移住してからの一連の活動が、インタヴュー記事としてギャラリー・パルクのwebsiteにまとめめられています。ぜひこちらもご覧ください。
https://galleryparc.com/pages/artist/tanakanatsuko.html